動画関連サービスの整理と2016年に加速するであろう3つのポイント
一口に動画事業といっても、何をコアにするのかによって随分と戦い方が変わってきます。「数秒単位の動画を制作せよ」や「facebookで動画に接触する際には字幕を入れろ」などの動画形態については、あくまでTipsの議論であって、本当に重要なのは動画を使ってどのレイヤーにサービスを提供するのか。あるいは、レイヤー内のどこで顧客・ユーザーに価値を提供するのかについて決定するのかを決めることからスタートします。
以下に、ざっくりとではありますが動画関連サービスにおけるビジネスレイヤーからの整理をした図を添付しています。
1.動画関連サービスのビジネスレイヤー
■ 動画サービス大分類
・コンテンツ制作
・動画配信(AbemaTV/Netflixなど)
・CDN(インフラ)
・マーケティング/広告
■ ビジネスモデルとしての分類
・広告(分析も含む)
・コンテンツ課金
・サブスクリプション(定額課金)
・コンテンツ制作
・ライセンス販売
2.2016年に加速すると予想される3つのポイント
■ 動画広告を軸としたデータ活用・モバイル化の加速
上記の整理の中では、コンテンツレイヤーにおける「コンテンツ制作」「マーケティング/広告」が先行している領域です。そこに付帯して、データを活用した「Analytics」の領域が現状プレイヤーが増えてきてサービスが今年から加速していくと考えられます。
モバイルでの動画展開は、「タテ型動画」や「短尺の動画」「ライブ動画」の動画の提供フォーマットをキーワードとして。そして「ニッチでもセグメントされた顧客へのリーチ」をキーワードとした、より顧客層にリーチするためのデータ分析やインフルエンサーを活用していくサービスが更に増えていくことにより企業マーケティング担当者は対応を迫られると予想されます。
■ 良質コンテンツの総取り合戦・サブスクリプションが加速
また、「動画配信サービス」は、《Netflix》をはじめとする海外の主要プレイヤーは日本市場でも、テレビ局と組んで定額課金モデル(サブスクリプション)を日本に拡げていくでしょう。動画配信サービスのプレイヤーは「より良質で、そこでしか見られないコンテンツ」を求めていくでしょうから、「パブリッシャー」や「コンテンツ制作」のプレイヤーとの事業提携が加速していくでしょう。
■ 動画を活用したユーザー×ユーザー/企業×ユーザーのコミュニケーションが加速
動画は「いまここ感」を伝える情報量の多いコミュニケーションツールです。モバイル化が進んでいく中で課題だったデータ通信量についても、短尺のおしゃべり動画をシェアする《Snapchat》 や《Snow》などのサービスでフォーマットからのアプローチが行われています。
また、料理動画を《facebook》と《Instagram》で配信する《DELISH KITCHIN》はInstagram上でのハッシュタグを用いた料理動画の投稿を促しています。動画そういった状況の中で、ユーザーとユーザー、更には企業とユーザーの動画を介したコミュニケーションが加速されると予想されます。
今後は動画関連サービスにおけるカオスマップと、各レイヤーにおける主要プレイヤーの網羅もやっていきたいと考えています。加えて、上記の加速ポイントについては、データでの補足もやっていきたいですね。(この記事をアップデートしていこうと考えています)。不足や認識の齟齬など、ご意見ご要望ございましたらぜひ教えて下さい。ではまた。